11月7日
第9回 東海ブロック 国際理解教育研究大会(愛知大会)
(平成27年度 愛知県国際理解教育大会)が、椙山女学園大学において、
愛知県海外子女教育国際理解教育研究協議会の運営により開催されました。
「みとめあい、つむぎあい、つたえあう国際理解教育」を大会主題に開会式が始まりました。
来賓として、全海研の滝会長、愛知県教育委員会より鈴村主幹
名古屋市教育委員会より加藤主事、愛知県教育振興会より広沢理事
が来場されていました。
滝会長・鈴村主幹より挨拶がありました。
また、「水」をテーマにESD教育に取り組んでいる
名古屋市立蓬来(よもぎ)小学校の音楽部と有志の児童らによる
「水はいのち」の合唱のオープニングセレモニーが行われました。
テーマを同じに活動に取り組むブルキナファソやフランスの小学生らの
合唱ビデオも紹介されました。
国を越えて同じテーマに取り組む子どもたちの様子を見て、何か
「ほっ」とする気持ちになりました。
今後のESDの発展性を強く感じる場面でした。
本大会は4つの分科会において、実践・研究発表が行われました。
第1分科会
外国人児童生徒教育
第2分科会
国際理解教育
第3分科会
現地理解教育
第4分科会
ESD・水と生活
と、それぞれのテーマについて、発表が行われました。
私の参加した分会について、様子をお知らせします。
・第4分科会
愛知県豊田市立西広瀬小学校 木村正寿先生の
「小さな見張り番40年 伝統が育てた自然を守る心」
について発表していただきました。
学校全体の取り組みとして、学校のまわりにある飯野川の清掃、
飯野川・矢作川の水質汚濁調査が40年間続いている。近年、
丸根山のビオトープ活動も加わり、ESDの考え方を40年前の
過去より貫いてきたことを力強く発表されていました。
次に静岡県富士市立田子浦小学校の 久松達典先生の
「砂漠の街ジッダの生活 生活を支える命の水について学び」
主にジッダの生活や文化について、紹介をしていただきました。
また、「水」に関する実践でSAWACO(浄水)や下水処理場の
見学を通して、「水」に対する子どもたちの意識が変わったことを
紹介していただきました。
最後の実践発表は
三海研から志摩市立神小学校の熊崎先生の
「サウジアラビア・ジェッダと志摩・立神 水の恵みを感じて」を
テーマに発表していただきました。
砂漠の町「ジェッダ」で、日本と違う「水」への価値観の中で行ってきた
教育実践から得られた現地理解の感覚を三重の教育につなげる実践に
ついて説明をされました。
志摩市の海辺の立神地区における真珠養殖体験や・アオサ養殖体験の
取り組みを通して、子どもたちが海(水)の恵みを知っていきます。現地理解の
感覚をもって、今まであるものを再び見つめなおし、何を課題にしていくかという
熊崎先生の実践は、私が水プロジェクトというと「飲み水」というイメージが
あったものを、海や用水などに関わるものついても扱う可能性のあるESDの
広がりを感じさせてもらいました。
また、当日参加はできなかったのですが、第1分科会では鈴鹿市教育委員会の
中川先生による「鈴鹿市における日本語指導の取組 多様な子どもたちが
いきいきと学び合う豊かな教育目指して」の実践発表をされました。
中川先生の実践発表については、11月1日の事前研修に聞かせて
いただいいていました。JSL児童生徒への取組がすべての子どもたちの
学力保障につながる視点と長期的な視野をもち、鈴鹿らしい教育を進めて
いる実践のお話を聞かせていただきました。
大会の最後に国際シンポジウム「世界の子どもたちが大陸を超えて学びあう
”水と生活”」が行われました。
「水」をテーマに、ブルキナファソの小学校と水プロジェクトでのつながりは
椙山小学校から蓬来小学校に引き継がれており、今回はブルキナファソの
理事長と校長がわざわざ日本へ、この大会に来ていただいたそうです。
ブルキナファソのクルーゼ学園のフェリックス校長先生から
取り組みの紹介がありました。
また、クルーゼ学園のキャサリン理事長からは、出身である水資源
豊かなフランス・アルザス地方の学校において、「その豊かな水がなくなって
しまったら」という水をあたらためて見つめなおす必要があるという思いから、
「水」について学ぶ子どもたちの様子を紹介していただきました。世界には
好きなときに水を得られない地域があることを知るための学習も行っているそうです。
三海研、全海研との繋がりや研修会の講演などでお世話になっている宇土先生の
水プロジェクトが国を超えた学習の取り組みへ発展した形を見ることができて、
ESDの大きな可能性を感じることのできた研修会になりました。